農薬や化学肥料を使っていない野菜を食べたい。でも、オーガニックって高いし、自分でつくるのは難しそう……。
そんなふうに感じたことはありませんか？
意外と誰でもできるんです！
──自分でオーガニック野菜をつくれます！
この記事では、自然界の微生物の力を借りて野菜をつくる菌ちゃん農法をご紹介します。
菌ちゃん農法は、農薬を使わずにおいしい野菜をつくれて、環境にも優しいのが特徴。しかも、初心者でも気軽に始められます。
心にも体にもやさしい野菜づくりを始めてみませんか？
私は最近、無性に土に触れたくなって（笑）プランターで土づくりを始めました！
美味しい野菜がつくれるようにお願いしながら土に触ると、とても優しい気持ちになりました。
菌ちゃん農法とは？
菌ちゃん農法とは、農薬や化学肥料を使わず、土の中の微生物──とくに糸状菌（しじょうきん）の力を借りて野菜をつくる農法です。
殺虫剤や殺菌剤も使わないので、環境にも、私たちの体にもやさしいのが魅力。
「野菜って、虫がつくのが当たり前じゃないの？」と思うかもしれませんが、土が健康であれば、野菜も強く育ち、虫を寄せつけにくくなるそうです。
俳優の柴咲コウさんや山田孝之さんなども、この菌ちゃん農法を実践しているようです。私もこの農法を知って、「なんて素敵！」と心をつかまれました。
菌ちゃん農法を広めているのは、吉田俊道（よしだとしみち）さん。土の中の微生物を「菌ちゃん」と呼び、愛情を込めて育むことの大切さを伝えています。
菌ちゃんがたっぷりいる土では、ビタミンやミネラル、ファイトケミカルが豊富な野菜が育ちます。しかも、味もとってもおいしいんです。
いま私たちがスーパーで買う野菜の多くは、農薬や化学肥料を使ってつくられたもの。
野菜自体は立派に育ちますが、土の中の菌ちゃんが減ってしまい、野菜の生命力は弱くなりがちです。元気な野菜には「ファイトケミカル（植物が自らつくる抗酸化物質）」が多く含まれ、これが私たちの健康にも役立つ栄養素になります。
具体的な方法として、菌ちゃん農法では、固い雑草や乾いた落ち葉・枝など──炭素を多く含む有機物を使って菌ちゃんを増やします。
これらをうまく発酵させ、腐らずに生きた土をつくるのがポイント。
この発酵型の土づくりによって、野菜は農薬がなくても力強く育ち、本来のうまみや栄養価を最大限に引き出せるといわれています。（※菌ちゃん農法の材料や手順は、最後に紹介する本に詳しく載っています📖）
菌ちゃん農法のメリット
菌ちゃん農法には、たくさんの魅力があります。自然の力を生かしながら、私たちの暮らしにも優しい点がうれしいところです。
- 農薬や化学肥料を使わないので安心。
小さなお子さんがいるご家庭や、健康を意識している方でも安全に食べられる野菜がつくれます。 - 初心者でも手軽に始められる。
庭がなくても、ベランダなどの限られたスペースでもプランターで気軽につくれます。 - 野菜が元気に育ち、連作障害が起きにくい。
菌ちゃんが栄養バランスを整えてくれるため、同じ場所で何度も野菜をつくりやすくなります。 - 自然と調和した循環型の暮らしができる。
有機物が土に戻るので、地球にもやさしいライフスタイルにつながります。
菌ちゃん農法の始め方
菌ちゃん農法を始めるのに、特別な道具や高価な肥料は必要ありません。身近にある素材で始められます。
ここでは、菌ちゃん農法の土台となる土づくりの方法をご紹介します。
菌ちゃん農法の土づくり
菌ちゃん農法では、菌ちゃんが増えやすい環境に整えることが重要になってきます。虫や病気が寄りつかない元気な野菜をつくるために一番大切とも言えます。
健康な土をつくることは、私たち人間の腸内環境を整えるのと似ています。人の体内では、特定の菌だけが多いよりも、さまざまな菌がバランスよく共存しているほうが健康だといわれますよね。土の中も同じで、菌ちゃんたちが多様でバランスよく働くことで、土が元気になり、野菜も力強く育つのです。つまり、菌ちゃん農法のカギは“多様性”。そのためには、菌がよろこぶごはん＝有機物をしっかり与えます。
🌱 実践！プランターでできる土づくりの方法
（２ヶ月〜３ヶ月で完成）
※12〜2月は菌の動きが鈍るため、土づくり期間としては数えません。
【用意する有機物】
- エノコログサ（猫じゃらし）やススキなど、茎が固いイネ科の植物、落ち葉・枝・竹・籾殻・綿100％の古布など
これらを数ヶ月雨ざらしにしておくと、糸状菌が自然につきます。使用前に3〜10cmほどに短くカットして、乾燥している場合は軽く湿らせてから使います。
【その他の準備物】
- ブルーシート（ピクニックシートでもOK）
- 高さ30cm以上のプランター
- プランター用のすのこ
- 5〜10cmに短くした小枝
- 肥料の入っていない土
- 黒いポリマルチ
【作り方】
① プランターの底にすのこを敷き、小枝を高さ5〜7cmほど入れる。
② ブルーシート上で土を水で湿らせて、プランターの9分目くらいまで入れる。
③ 土を潰さないように5〜10cmほどの有機物をのせる（乾いていれば軽く湿らせて）。
④ 有機物の上に2cmほど土をかぶせ、なじませる。
⑤ 黒いポリマルチで覆い、3か所ほど空気穴を開ける。
⑥ 2〜3ヶ月間、ベランダや軒先などの温度変化しにくく日陰で雨の当たらない場所に置く。
（冬季は菌が増えにくいため、カウントに含めません）
🌼 Point：菌ちゃんが活動しやすい「ふかふかの発酵土」に！
- 有機物は1年〜1年半で分解されるので、定期的に補充しよう。
- 水は与えすぎず、適度な湿り気をキープ。
- 空気が通るように、水はけをよくする。
菌ちゃん農法で野菜をつくる際の注意点
菌ちゃん農法で野菜を育てるときには、いくつか気をつけたいポイントがあります。ちょっとした工夫で、失敗を防ぎやすくなります💡
- 野菜の種類ごとに種まき・苗植えの時期を確認する。
同じ野菜でも季節や地域によってつくりやすい時期が異なります。始める前にカレンダーをチェックしておきましょう。 - そのままの生ごみや米ぬか、家畜ふんは使わない。
糸状菌よりも乳酸菌や酵母菌が増えすぎると、発酵ではなく腐敗が進みやすく、これが失敗の原因になりやすいので使いません。 - 水やりや肥料は“控えめ”が基本。
菌ちゃんが働く土は保湿力が高いので、水を与えすぎると空気が足りなくなり、菌の動きが鈍ってしまいます。 - 植えつけるときは、マルチに穴を開けて根の深さを意識。
有機物の層の下までしっかり根が届くようにし、軽く水を与えると活着しやすくなります。
※詳細は、最後に紹介する本に写真付きでわかりやすく解説されています📖
初めての方は、一度読んでから実践するのがおすすめです。
菌ちゃん農法を成功させるには
菌ちゃん農法は、ちょっとした気づきや観察で結果がぐんと変わります。
ここでは、よくある失敗とその対策、そして日々のチェックポイントを紹介します。
菌ちゃん農法でよくある失敗と対策
失敗例：発酵がうまくいかない
- 原因：水分や温度が適切でないことが多い。
- 対策：土の水分量は「軽く握って形が残るくらい」、温度は「冷たすぎず、手で触るとほんのり温かい」くらいが目安。
微生物はこの環境が一番活発になる！
菌ちゃん農法のコツ！：土の状態を常にチェック
菌ちゃん農法の成功のカギは、土をよく観察すること。微生物が元気に活動しているかどうかは、においや手触りでわかります。
発酵が順調なら、ほんのり甘い香りや森のような土の香りがします。逆にツンとしたにおいがするときは、空気不足や水分過多のサイン。そんなときは軽く土を混ぜて空気を入れ、有機物を少し足してあげます。
続けると大小の土の塊（団粒構造）ができてきて、植物の根が必要な栄養を吸収しやすいフカフカの土にしてくれます。
ぜひ土を感じてみてください♪
菌ちゃん農法のデメリット：土づくりの期間
菌ちゃん農法でのデメリットは、土づくりに少し時間がかかること。最短でも2ヶ月ほどは必要なのと、有機物を集める手間もあります。
でも、一度元気な土ができてしまえば、そのあとはラクラク🌱
有機物を時々補うだけで、菌ちゃんが自然にバランスを保ってくれます。ワクワクしながら待つ時間も楽しみかもしれません。
無農薬野菜を自分でつくることで得られることはたくさんあります！
菌ちゃん農法は、自然の力を借りて無農薬の野菜をつくる農法です。農薬も化学肥料もいらないから、体にも地球にも負担が少なくて、何よりも、自分で育てた野菜を食べれる喜びがあります。きっと感謝の気持ちも生まれるでしょう。
ぜひ、あなたの食卓にも「手づくりのオーガニック野菜」を♪
実践したい方におすすめの本
📘 図解でよくわかる 菌ちゃん農法（微生物の力だけで奇跡の野菜づくり）
著者：吉田俊道
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🌾 農業法人（株）菌ちゃんふぁーむ
👉 公式サイトはこちら
私の今の楽しみは、育てたフェンネルで作るパスタや、野菜たっぷりのラタトゥイユを想像することです🎶
